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ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

川越の甘味処『あかりや』のピリ辛担々うどん&ミニあんみつ

グルメ グルメ-ランチ

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 この日は、朝から暑かった。

 毎年恒例となりつつある「縁むすび風鈴」を見るべく、川越氷川神社へと向かう道すがら。頭上からは太陽が照りつけ、足下からはアスファルトによって反射された熱が全身を穿ち、冷房で冷やされたはずの体温は急上昇。メシ屋を探す目は虚ろで、歩く足取りは重く気怠いお昼すぎ。

 川越と言えば、行列必至のつけ麺屋『頑者』が有名だけれど、さすがにこの炎天下で並ぶ気は起きず。チェーン店に入る気分でもなく、されども早く屋内に避難したい気持ちは強く。何も考えず、ただただ神社方面へとふらふらと歩を進めていると、一軒のお店が目に入った。

 

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 昭和13年に建造されたという建物には、「甘味処」の文字。軒先には涼しげな「氷」の暖簾が踊り、同時に、お持ち帰り用の販売スペースが目に入る。脇を見れば、店内への入り口とその横にはおしながきが設置されており、ランチ営業もしていることがすぐわかった。

 直感的に、これだ、と感じる。お昼の食事はもちろんのこと、この暑い日に食べる甘味がおいしくないはずがない。むしろ、このタイミングで食べないなんてウソだ。思い返せばこの数年、ろくに和喫茶に入っていない。暑さも限界だ。必然、そのまま暖簾をくぐっていた。

 

 

小江戸川越で人気の甘味処

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あんみつ・おしるこ・一升餅【甘味処 川越 あかりや】

 

 『あかりや』さんへは、川越駅から徒歩15分、本川越駅からは徒歩4分ほど。川越駅から見て、古くからの蔵造りの町並みが残る一帯へ向かう道中、若者向けの商店が集うクレアモールのその終着点に当たる一角に存在する、趣深い甘味処だ。

 ホームページを見ると、これまで幾度となく各種メディアで取り上げられている名店であり、“小江戸川越”の観光においてはぜひとも寄っておきたいスポットでもある。紹介のされかたを見ると、「和スイーツ」「手みやげ」「お取り寄せ」といった単語が多く目に留まりますね*1

 

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 実際に入店し、和小物が並ぶインテリアと一緒に掲示されているメニューを見ると、やはり「あんみつ」「わらび餅」といった甘味が勢揃い。さらには夏ということもあってか、「かき氷」が特に推されているようにも映る。……氷の上にたくさんの「あんず」を盛ったそれは、実においしそうでけしからん。

 しかし、此度の目的はあくまで「ランチ」である。時計を見れば、ちょうど13:00を過ぎようかという頃合い。周囲のお客さんも思い思いに昼食をいただいているようで、見ているとますますお腹がくぅくぅ減ってくる。浴衣姿の2人組、麗しい女性が食べている和パフェも気になる……が!

 

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 ーー何はともあれ、メシである。

 おしながきで「お食事」の部分を見ると、夏季限定メニューも合わせ、全部で8種類ものうどんがあるらしい。「甘味処」を謳っているお店としては豊富なメニューに目移りしつつも、そこは“限定”の字に弱い僕。ほぼ迷わず、「これぞ!」と感じたうどんを注文しました。わくわく。

 

ピリ辛さっぱり担々うどんと、甘さすっきりあんみつ

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 さて、注文したのはこちら。
 冷やし担々うどん+ミニあんみつのセット(¥1,020)です。

 

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 平皿に盛られた「冷やし担々うどん」は、ラー油の赤色が際立つわりには涼やかな印象。しっかりと冷やされた麺は啜るだけでも気持ちよく、喉越しの良さも相まって夏にぴったりの一品だ。

 舌にチリっと響くピリ辛具合がまた絶妙で、あまり辛味を好まない自分でも「これはいい!」と思いがけず食が進むほど。胡麻と刻みネギ、うずら卵に細切れチャーシューといった具材も良いアクセントになっており、スープと絡めて啜る麺に味わいを加えてくれる。

 麺のボリュームも見た目以上にあったので、充分に空腹を満たせる素敵なお昼ごはんとなりました。……が、まだ終わりじゃあない。“甘味処”としての華、あんみつ先輩が待っている。

 

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 セットの「あんみつ」はサイズこそ小さいものの、お店自慢の素材を存分に使い、その魅力を凝縮した一品。おしながきを見ると、他のメニューとは別に「あんみつへのこだわり」を記したページがあるのですが、その“こだわり”のすべてを反映したあんみつが、これだ。

 食物繊維が豊富な「ところてん(生寒天)」に、あんみつ専用の「自家製餡」、こちらも手作りの「赤えんどう豆」と「求肥」に加えて、全体に彩りを与える自家製「煮あんず」。そして極めつけが、黒糖をたっぷり使った「黒みつ」でござる。小さいながら、紛れもない「あんみつ」だ。

 ただでさえ涼しげだった、冷やし担々うどん。それを食べ終えた先で待っているのが、このあんみつである。冷たい生寒天に、決して甘すぎない餡をちょっと付けて頬張ることで生まれた感情は、「涼し」を通り越してもはや「癒し」である。 あっさりすっきり、甘冷たくて、おいしい。

 求肥のモチモチ感は言うに及ばず、こちらは最高にあまーい黒みつを軽くかけて、絡めて楽しむことで生まれる多幸感よ。そんななかでも存在感を放つ煮あんずは「甘」よりも「酸」を強く感じる味わいで、全体の涼やかな甘さに切り込むかのようなアクセントを与えてくれておりました。

 

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 お腹いっぱい。だいまんぞく。

 うどんとあんみつ、それとお店の雰囲気からもたくさんの「涼」を受け取ったがためか、再び戻った炎天下も、気のせいかちょっと涼しげな印象に。

 とは言え、夏のお天道さまの前ではそれが長続きしないのも当然であり。「味」で涼を感じたその次は、「聴」で清涼を実感するべく、川越氷川神社へと歩を進めるのでありました。

 

 夏はまだ、始まったばかり。

 

 

店舗情報

 

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