新聞のメリットは“一覧性”と読みやすさ!近頃のネット記事は広告が邪魔すぎる


reading & amazönli

 最近、近所の図書館にしばしば足を運ぶようになった。前々からちょくちょく訪れていたけれど、近頃は特にその頻度が上がったように思う。毎日は無理でも、少しでも早く帰宅する必要のある用事がなく、かつ閉館時間前にたどり着ければ、いざ図書館。

 目的はずばり、「新聞」でござる。前職を辞めて以来、家ではすっかり新聞と無縁の生活を送っている今日このごろ。今はネットニュースをチェックしておけば事足りると思っているし、主に営業職で見られる「今朝の日経で〜」的な “雑談ネタ” として一覧を確認する必要も今はない。

 じゃあ、どうして急に「新聞」なのかと言うと……最初は、散歩ついでに寄った図書館で、なんとなく開いてみただけだった。でも、いくつか複数社の新聞を手に取って読んでいくうち、それをおもしろく感じただけでなく、ネット記事と比較して「読みやすかった」んですよね。なぜか。

 

ようやく実感できた新聞の「一覧性」と、ネット記事の読みにくさ

 「新聞」と言えば、今や旧メディアの代表格として一部では衰退が叫ばれる一方、デマの飛び交うネットと比べればまだ、情報の「信頼性」の高さがメリットとして語られている印象が強い。

 そりゃあもちろん、過去に問題視されたデマや新聞社の関わった事件は少なからずあるでしょう。けれど、小学生の独り言から活動家の煽動的な主張まで、ありとあらゆる「情報」が魑魅魍魎のように跋扈しているネットと比べれば、まだ信頼性は保障されているようにも思うのです。

 

 良くも悪くも、ネットは選択肢が多すぎる。信頼できる情報の発信者やサイトを見つけるにも一苦労だし、彼らがいつも正しい情報を共有してくれるとも限らない。その点、新聞は世に送り出されるまでの過程で複数の「校閲」が入るため、ネット全般よりは情報に信頼を置きやすい。

 他方で「新聞」の利点としてもうひとつ、ネットと対比的に語られていたのが、「一覧性」の視点。この言葉、新聞の話題以外であまり聞いたことがないのだけれど、要は「ひと目で全体がわかる、判読できることのできる性質」を指すものかと。具体的には、次のようなメリットがある。

新聞のメリット

  • 新聞それ自体がデカくて見やすいだけでなく、大文字の見出しを読むだけでもニュースの概要を理解することができる
  • 1面分だけでも複数の見出しが確認できるので、本文を読まずにざっと俯瞰するだけでもその日の出来事を把握し、気になる記事をすぐに見つけられる

 

 正直、この点に関しては、これまで「メリット」だと感じたことがなかった。いや、だって、それならニュースサイトのトップページで見出しをスクロールしても同じだし、ただでさえデカい紙を “めくる” 作業よりも、パソコン上でマウスをカチカチするほうが楽ですしおすし。

 ところが最近、考えが変わった。久しぶりに新聞を開いてみたら、「……あれ? むっちゃ見やすいぞ?」と感じてしまったのです。どデカい見出し文字が自然に視界に入ってきて、気になる記事とそうでない記事を選り分け、本文もすんなり読み進められる。謎のしっくり感。なんぞこれ。

 

 理由はいくつか考えられるけれど、まず地味に感動したのが、「余計なもんが視界に入ってこねえ!」というスッキリ感。――主にアレです、「 広 告 」です。

 特に最近は個人ブログにとどまらず、ニュースサイトでも余計な広告や操作を要求されることが増えたように思う。記事中広告は言うに及ばず、そんなに文量がないのにページを細かく区切っていたり、スクロールすると「フワァ...」と広告や会員登録を促すボタンが浮き上がってきたり。

 そういった “余計なもん” に違和感を覚えていたせいか、それまではゴチャゴチャで読みにくいと感じていた「新聞」のほうが、むしろスッキリしているように感じた。確かに文字はびっしりだけど、どの新聞を読もうがフォーマットはほぼ変わらないし、途中で詰まることはまずないので。

 当然、新聞にも広告は多い。けれど、それこそずっと変わらず同じ場所にあるため、主に紙面の下2割程度を視界に映さなければ無問題。全面広告はそうとわかるよう書かれているからスルーするできるし、逆に自分が好きな会社が広告を出していれば「おっ?」と思う。それは不快じゃない。

 

 加えて、昔は「なんでそんな狭い枠で何度も改行してるんだYO!」とモヤモヤしていた、新聞の本文のびっちり文字。それも、スマホの小さな画面で文章を読むことに慣れた今となっては、逆に読みやすい。縦・横の違いはあれど。

 これがネット記事だと、突如として文中で無関係な写真が挿入されたり、フォントが無駄に装飾されまくったりしていて、かえって読みにくくなってしまっていることもしばしば。場合によっては視認性を高めてくれるそれも、多くは読む速度を落としてしまっている印象がある*1

 子供のころは「文字がぎっしりあばばー!」なんて叫んでいた新聞の本文も、逆に考えれば、「視線を動かさずとも一度に大量の文字を視界に収めることができる」ため、自然と速いスピードで読むことができるようになっている形。……ってことですよね? 調べてないけど、そういうデザインなんですよね?

 

 そんなこんなで、これまではピンときていなかった「新聞」の利点を、今更になって実感したのでございました。当然、比較対象としての「ネット」が雑過ぎる括りになっていますし、久しぶりに読んだことによる印象の変化という理由も大きいとは思いますが。

 あとは単純に、近所の図書館の環境が良いという一面もあるかも。新聞はしっかりとホチキスで止められており、斜めに置いて読むことのできる閲覧台も複数設置されているため、片手でパラパラとめくって読めるんですよね。バラバラにして落とすのが嫌だったので、快適このうえないっす。

 そんな新聞の活用方法については、池上彰さんと佐藤優さんの共著『僕らが毎日やっている最強の読み方』が非常に参考になりました。効率的な情報収集と学習方法をまとめた、ビジネスマンにおすすめの1冊です。

 

 

 

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*1:ご覧のとおり、自分もよくやっているので人のことは言えませんが……。