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ぐるりみち。

日々日々、めぐって、遠まわり。

『昭和元禄落語心中』コラボイベント「声優落語天狗連 第2回」に行ってきた

サブカルチャー-アニメ サブカルチャー

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 冷たい風が吹きつける2月の日曜夜、神田明神にて。
 他のどんな夕時よりも身体の芯から温まる、素敵イベントにおじゃましてきました。

 ――控えめに言って、最高だった。

 

「アニメ×落語×声優」の異色コラボイベント!

 現在、絶賛放映中のアニメ『昭和元禄落語心中』をご存知かしら? 昭和の落語界を舞台にした、噺家たちのめくるめく人情物語でございます。原作コミックは完結済み。

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TVアニメ「昭和元禄落語心中」PV② rakugo shinju animation PV2 - YouTube

 その魅力は何ぞやと問われれば、兎にも角にも「 “耳が幸せ” なアニメ」だとお返しするのが、自分の答えになりましょうか。豪華声優陣が彩る作品世界は言うに及ばず、鼓の音色を基調とした劇伴も引き込まれるほどにぴったり。作詞作曲・椎名林檎さん、歌唱・林原めぐみさんの主題歌も。

 たとえアニメに詳しくなかろうお方でも、「声優・山寺宏一さんの落語が聴けるのは本作だけ!」と聞けば……どうです? 気になってきません? 話によれば、山寺さんだけでなく、石田彰さんと小林ゆうさんも本作のキャストを勝ち取るべく、全力でオーディションに挑まれたそうな。それだけ声優陣が全力投球している作品でもあり、声の演技は折り紙つきでござろうもん。

 

 

 さて、そんな『昭和元禄落語心中』とコラボレーションして展開中のイベントが、「声優落語天狗連」。ニッポン放送アナウンサー・吉田尚記さんと、学者芸人・サンキュータツオさん、落語研究会出身かつアニメ好きのお二方が、MCとしてイベントを盛り立てております。

 1月に開催されたイベント第1回も盛況だったそうで、チケットが落選してしまった自分としては羨ましいかぎり。――などとハンカチを咥えて嫉妬していたところ、運良く第2回に当選。念願の参戦と相成り、落語素人ながら覗いてきた次第でございまする。

 

老若男女が「笑い」でひとつになった、最高の夜

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 第2回となる「声優落語天狗連」は、ざっくり分けて4部構成。

  • アニメ第8話の特別先行上映会
  • MC2人による感想&好き勝手トーク
  • 若手声優・石井マークさんによる落語チャレンジ
  • 立川志ら乃師匠によるアニメ劇中噺を一席


 ラブライバーの聖地として今でも賑わう神田明神の明神会館にて、老若男女250名が集ってイベントを観覧いたしました。……いや、本当に “老若男女” でビビった。自分のよく知る “アニメイベント” とは明らかに異なり、参加者層に偏りがないように見えたんですよね。

 大多数の共通点としては当然、「『昭和元禄落語心中』のファン」という前提があったのでしょうが、その内訳は、若い兄ちゃん姉ちゃんから、その親世代と言っても差し支えのないあろう年齢のおじ様おば様まで十人十色。しかも中には、「アニメは未視聴の立川志ら乃師匠ファン」もいらっしゃったそうで。言われてみれば納得だけど、びっくりでござる。

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 で、肝心の内容なのですが……。正直に言って期待以上、終わってみると、他に類を見ないくらいに刺激的かつ “笑” 撃的なイベントでござった。何がすごいって、その辺の音楽ライブでも体感できないくらいに、その場の「すごい一体感を感じる」内容だったんですよ。

 まず最初の上映会は、思いのほかあっという間に終わってしまったという印象。過去にもアニメの上映会に参加した経験はあるけれど、その場の参加者みんなで一喜一憂する、周囲の反応とシンクロしながらの鑑賞はおもしろかった。稀にいる「マナーの悪い人」のような、不快要素もゼロ。

 次のMC2人によるアニメ解説――という名の “しゃべり放題” も、笑いを取り取り、ネタを挟み挟みのおもしろトークといった趣きで、徹頭徹尾、楽しむことができました。もともと吉田さんの “しゃべり” は好きだったし、タツオさんの複数の視点からの考察も興味深かった。

 

 そしてなによりも印象的だったのが、かたや数回稽古を受けたのみの若手声優、かたや立川流真打という、普段は別世界に住まうお二方の落語披露でござる。

 自分が生の「落語」を目のあたりにするのは2度目だったのですが、初めてのときに感じた “底知れなさ” というか魅力の断片を、その身で持って確信したような結果になりました。

 過去、初めて聴いたのは、二つ目・立川志の春さんの落語。続く今回は、落語見習いの声優・石井マークさんと、真打・立川志ら乃さん。当然、お三方とも力量も何もかも違うはずなのに、そういった “うまさ” は別にして、とんでもなく「おもしろかった」んですよ!

 

 石井さんの語り口調は、たしかに辿々しさこそあったかもしれないけれど、よく通る声と色調子の変化、観客を話へと誘う雰囲気は、さすがプロの声優さんと申しましょうか。そも “声優” の巧拙の何たるかを解さない自分からすれば、十二分に対価を支払って楽しめるものでございました。

 志ら乃師匠は……なんかもう、今の今まで「落語」の諸々を誤解していたらしい自分をぶん殴って土下座させたくなるレベル。どうしてこんなおもしれぇもんをもっと早く観に行かなかったのかと、変な固定観念でもってスルーしていたのかと、説教してやりたい。すんませんでした。

 

 特に師匠の噺を聴いていて記憶に残っているのが、噺自体の臨機応変さ、知っているはずの『時そば』なのに、次はどうくるのか、どんな調子で続くのかという先が読めない展開――もそうなのですが、周囲のお客さんの反応もひとしおでして。

 さっきまで、MC2人の『エヴァ』を掛けた小ネタを聞いてクスクスと上品に笑っていた隣のお姉さんが、気づけば手を叩き足を踏み鳴らしの大爆笑。前の席で肩をプルプル震わせつつも笑うのを我慢していたらしいおじ様も、気づけば前へ後ろへとヘドバンするほどの笑い転げっぷり思わず僕も合わせてヘドバン。

 

 名前も知らない、話したこともない、まったく別の日常を過ごしているはずの観客みんなが、その場で「落語」を通して一斉に大爆笑している、その一体感が尋常じゃなかった。映画でも、音楽ライブでも、なかなかあそこまでのシンクロ率は見たことがないっす。

 ほんま、落語ってすげえ。……ぶっちゃけ、参加前は「よんせんえん、か……」なんて軽くためらっていたのに、終わってみれば大満足。お値段以上の笑いと充実感を胸に引っ提げ、最高の気持ちのまま帰途につくことができました。ほんっとうに楽しかったです。

 

 そんな「声優落語天狗連」は、3月20日に第3回の開催が決定したことが、イベントの最後にアナウンスされました。ゲストにはなんと山寺さんがいらっしゃるということで、近くにいた女性のお客さんと一緒に「キャァァアアア!」なんて黄色い声をあげてしまった模様。

 収容人数的には倍以上になるものの、チケットの倍率は果たしてどうなることやら……。とりあえず今回のイベントがむちゃくちゃおもしろかったので、次回も申し込むのは確定でござる。アニメもいよいよもって盛り上がってきたので、先の展開が楽しみです。

 

 

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