クリスマスなので、ネオサイタマの回転寿司でおやつを食べてきた


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 12月24日
 世に言う「クリスマス・イブ」である。

 Twitterを見れば、「性夜」だの「リア充爆発」だのと賑やかでございますが、いまいちピンと来ない僕氏。強いて言えば、駅前のコージーコーナーが大量に商品を搬入しているのを見て、季節感を感じるくらい。ケーキをウマーしたい……。

 過去の、小学生の僕にとっては「サンタさんが来る日」であり、中高生の僕にとっては「友人とのサイゼリヤパーティーの日」であり、大学生の僕にとっては「嫁・古河渚の誕生日」でしかなかった日。ケーキをウマーできればそれで充分なのです。うむ。

 そんな今日、「あえて別のもんを食いたい!」と思い立ったのが、午前の喫茶店での作業中のこと。12月は普段以上に砂糖で満たされる、この胃の中を…うっ……ガエダイ! ということで、駅前のケーキ屋さんをすっ飛ばし、国道沿いの某店まで歩いてきました。

 ──世の中を回してみせよう、寿司が如く。

 

「おすしはおやつ」

 過去にそう語ったのは、学生時代の友人である。仲間の多くが放課後はスタバに足を運び、それひとつでチェーン店の牛丼が2杯も食べられてしまう価格の「ナマエノ=ナガイ=フラペチーノ」を頼んでいる中、彼はいつも、それと同じ値段で寿司を食っていた。

 そもそも現代的な「握り寿司」が誕生・普及したのは、江戸時代は文政の頃であったらしい。おにぎりサイズで手軽に食べられる寿司は江戸っ子に親しまれ、当初は食事というよりも「おやつ」としての立ち位置にあったという話も見つかった。

 

 

 翻って、現在はどうだろうか。当然、21世紀においても、夕時に駅前の回転寿司・立ち食い寿司店に目を向ければ、スーツ姿の紳士や私服のおじいちゃんが酢飯を口に運んでいる様子は当たり前に見ることができる。

 そういった現状を鑑みれば、「おすしはおやつ」は別におかしな意見ではない。何と言っても、スシは万能なエネルギー補給食。市民のみならず、ニンジャも携帯しているのだ。その効力は計り知れない。古事記にもそう書かれている。

 

平日の夕方、国道沿いの回転寿司にて

 そんなこんなで、寿司を食うことにした。よくよく考えてみれば、もうしばらく寿司を食べていなかったのだ。いくら駅前のチェーン店が「1皿108円」を謳おうと、僕は牛丼チェーンの安さに惹かれてしまう人間。プラス100円でサラダを付けたほういい。

 しかし、いつもどおりに都心の駅前まで行って、富士そば代わりのスシ・バーに入るのも味気がない。ひたすら「サーモンを頬張るマン」になる未来が目に見えているので、それならば、普段は行かないようなスピニングスシを食したいところではある。

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 ──というわけで、遥かネオサイタマの地にたどり着いた。サイタマの至宝にして、そんじょそこらのスシ・バーよりも食材の新鮮さに自信ありの、「がってん寿司」である。

 駅から徒歩数十分の国道沿いのお店まで歩くのもどうかと思われたものの、なんたって僕はこれから「スシ」を食いに行くのだ。それだけの価値があるし、もう5年も前に脱サイタマして以来の再訪でござる。気合を入れて立ち向かわなければ……喰われる。

 長きに渡る行脚を終えてお店に入ると──びっくりするほどに人がいねえ! さすがはクリスマス・イブ……というか、それ以前に平日の日中である。そりゃそうだ。

 他には家族グループが1組いるだけで、カウンター席は自分ひとり。当然、レーンは回っていない。なんだろう、普段の回っている景色しか見た記憶がないから、無性に寂しく感じる。気のせいか、レーン内側でシャリを握る兄ちゃんの「合点承知!」も弱々しい。超がんばれ。

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 さて、いざ注文であるが、今日はあくまで「おやつ」を食べに来たのであった。

 いつもどおり、注文した10皿のうち半分以上はサーモンを食べるなどという愚行を犯すわけにはいかないし、中途半端な「変わり種」を攻めるのも憚れられる。最低限の注文で、事を成すべし。

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 あれこれと悩んだ結果、無難に落ち着いてしまった感じは否めない。

 本日のおすすめである「活〆かんぱち」に「生サーモン握り」、それに安定の「握り玉子」。僕は玉子焼きに目がないのだ。もし一緒に飲みに行く機会があったら、だし巻き玉子を頼んでみてください。即落ち2コマ。3秒で惚れる。

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 わずか3皿、なれど1皿108円ではない、高級な「おやつ」。

 じっくりと味わっていただきます。──うむ、いずれのネタも身がぷりっぷりで美味である。粉末成形スシとは一線を画する。どうぞ食べてみてください、いい味でしょう。余裕の味だ、馬力が違いますよ。

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 3皿食べて、お会計は712円。

 スタバで「アマクテ=ウマイ=フラペチーノ」のビッグサイズを頼めるお値段なのではないかと想像されるが、大満足である。腐っても元サイタマ人。サイタマゲットーで舐めた苦汁と、食べたスシの味は忘れておらぬとも。

 久しぶりに食べたスシは、この1年間の反省を促す象徴的な存在でござった。生活面で変化があり、収入の割合が大きく変わったことで、外食で使う店舗と金銭感覚も移り変わりつつある今日この頃。

 貯金が底をついた1年前のことを忘れず、スシを食える現在とその環境を与えてくれたつながりに、改めて感謝したい。そして願わくば、来年もまた新鮮なスシを、今度はちゃんとレーンが回っている店内で、美味しくいただけますように。

 

 ……ところで、どうして僕は、クリスマス・イブに往復1時間以上も歩いて、回転寿司を食べに行ったんです??

 

 

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