4年前もこれからも、ブログとインターネットが好きなのは変わらない


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 「4年」は短いようで、長い。

 「ともだちひゃくにん!」と歌っていた小学1年生は高学年になり、中二病を暴発させていた14歳はエッチなビデオを見られるようになり、大学デビューに失敗した大学1年生は「人脈人脈ゥ!」と社会へ羽ばたく準備をしているころでしょう。

 僕にとっての「4年」も同じく、長かったように感じられるもの。大学生から会社員に、会社員から無職に、無職からフリーランスにと、意外にも環境の変化が激しかった。「歳をとればとるほどに時の流れは早くなる」ともよく聞きますが、まだまだそうでもない……はず……?

 いろいろあった4年間の中でも、この「はてなブログ」というサービスの存在は思いのほか大きく、感じるところもありまして。トートバッグも欲しいし、サービス開始4周年というめでたさに乗っかりつつ、ざっくりと「4年」を振り返ってみようと思いまする。

 

※何回目かの話。

 

インターネットと再見した、4年前

 考えてみると、それまでほぼ一貫して「消費する側」としてインターネットに親しんできた自分が、別の視点で「インターネット」と接するようになったのが、ちょうど4年前のことだった。

 2011年末と言えば、就職活動を終えて、卒業論文に取り掛かっていた時期。「ソーシャルメディアってなんぞ?」という曖昧な題材で見切り発車し、自分なりにせっせと参考文献を読みあさりつつ、普段とは異なった視点から「ネット」を再考していたタイミングでござる。

 おもしろフラッシュに始まり、ネット小説にアレンジ音楽、MADにニコニコ動画、そしてSNSという流れでもって、ネット文化を「消費」してきた自分。

 ただただ自分の興味関心を検索し、ネットの流行に乗っかり、あれやこれやと楽しんでいたひとりのユーザーに過ぎなかったのが、「ネットの“おもしろさ”とはなんぞや」を考え始めた時期であり、改めて「インターネットとのお付き合い」を見直すようになったのが、4年前だったんじゃないかと。

 ちょうどその時期に「はてなブログ」がサービス開始していたと考えると、なんだか感慨深くもあります。当時はまだ「数多あるブログサービスのひとつ」としての認識でしかなく、まったく関わってはおりませんでしたが。

 

会社員として過ごした1年半と、「はてなブログ」との出会い

 2012年に大学を卒業──と同時に、某メーカーに営業として就職。想像以上の肉体労働にひぃひぃ言いつつも仕事は楽しく、会社の上司・先輩方も良い人ばかりで、それなりに充実した日々を送っていた……はず。最初の半年ちょっとは「楽しさ」を感じる余裕もなかったけど。

 入社と同時に、関東の片田舎の営業所での勤務が決定。会社の寮に入り、数ヶ月も経てば寮生の先輩社員にも慣れてきた……けれど、そこで別の問題が発生。びっくりするほど、娯楽がねえ!

 都会からは少し離れた“関東の田舎”だけあって、国道まで出れば、道路沿いにそこそこお店はあるんすよ。おなじみの飲食チェーンとか、ユニクロとか、ラーメン屋とか。ただ、レジャー施設の類はほとんど皆無で、先輩に聞いても「ドライブくらいしかやることねーなー」との話。うぉうい!

 ……あ、訂正。娯楽施設あったわ。パチンコはそこら中にあったわ。

 そんなこんなで休日は暇になり、マイカーも持っていない自分のやることと言えば、電車で都会まで出てぶらぶらするか、スーパー銭湯でのんびりするかくらい。肉体労働のおかげで「風呂」に目覚めたのは間違いない。さいこーっす。風呂は命の洗濯よ!

 もうひとつ、「休日の過ごし方」の最たるものが、寮にこもってのネットサーフィン。入社してすぐ、寮にネット環境がないことに絶望し、Pocket WiFiを探しに行ったのも今となっては懐かしい。動画を見て、SNSをして、自由気ままにネットライフを謳歌しておりました。

 

 そこで読み始めたのが、「ブログ」でござった。時事問題を取り扱った硬派なサイト──というよりは、同世代の人が書き綴った日記調のブログや、アニメやらマンガやらネットでの流行やらを取り扱った、自分の興味関心に近しい内容のページが大半でした。

 そのなかでも好んで読んでいたのが、「インターネットもぐもぐ」や「ライフ・イズ・カルアミルク」、そして今は亡き「24時間残念営業」など。当初は特に意識していなかったのだけれど、これらのブログってぜーんぶ「はてなブログ」なんですよね。

 で、2012年末に実生活でいろいろとありまして、「mixiやTwitterでは書きづらい(書ききれない)、この思いの丈をまとめる場所が欲しい!」という動機でもって始めたのが、このブログ「ぐるりみち。」でございました。

 「はてな」で始めた理由は至極単純。「自分の好きなブログに『はてな』が多かったから!」という、それだけ。脱社畜ブログ」「かくいう私も青二才でね」などのブログも、確かこの時期にはチェックし始めていたのかな……?

 結局は仕事のほうが忙しくなり、月に1回程度、たまーに思い出したように本の感想などを書く程度の過疎ブログとして、半分は放置されているような状態になるのですが。

 でも、自分でも「ブログ」を始めることによって、他の人の文章も日常的に読むようになり、ネットでの情報収集方法も変わり、ここもまた「ネットとの付き合い方」が微妙に変わる契機となったんじゃないかと思う。どこの誰とも知れない人の書いた文章を読むのが、とにかく楽しい。

 

1年ROMってブログ再開&退職

 で、会社を辞めたのが2013年11月のこと。それに伴い、月1更新程度だったブログを本格的に再開。以後、現在に至るまで、毎月25記事くらいの投稿頻度でブログを継続しております。

 当時の傾向としては、やはり退職したばかりということもあって、「“働く”ってなんぞ?」的な労働観の話が多め。あとは生活の疑問、旅行記録に読書感想──って、今とあんまり変わっていませんね。良くも悪くもブレていない模様。HAHAHA。

 同時に、同じ「はてな」でブログを書いている人の文章を積極的に読むようになった。はてなブログのトップページや、「感想をブログで書いてもらえると喜びます - はてなブログ グループ」などから気になるブログを探して、どんどん読者登録していった形。

 Twitterでも他のブロガーさんとちょいちょい絡むようになり、中学時代にHTMLを駆使して作っていた個人ホームページ時代を思い出したりもして、「やべえ!ネット超楽しい!」と“ネト充”していた気がする。……あ、もちろん転職活動もしてましたよ。一応。

 当時、その楽しさの中で書いたこちらの記事がバズったこともあり、このブログの「原点」と言えばここになるのかな、と。元ネタは、2011年に読んだ「デジタルネイティブじゃない1989年生まれのわたしの話 - インターネットもぐもぐ」。

 こちらの記事に共感しまくって、「僕もいつか、自分のブログで“インターネット”の話を書きたい!」と夢見るようになったのも、「ブログ」に惹かれたきっかけのひとつ。それをこうして2年越しで実現し、割とすでに「やり切った」感じもあったのだけれど。

 ──なんやかんやで、今に至るまで続いております、はい。

 

無職からフリーランスに

 2014年に入り、転職活動では素敵な企業との出会いがなく、「それよりもブログを書いているほうが楽しい!」という、世間的に見ればニートまっしぐら、あまりよろしくない空気が立ち込め始めたころ。

 トークイベントに行ったり、ブログ関連のイベントに足を運んだり、ネット上で声を掛けられてホイホイ飲みに行ったりしていたところ、気づけば「お仕事」をもらうようになっておりました。こちらから求職活動をしていたつもりが、仕事が向こうから来た。なにこれすごい。

 ウェブ上での記事執筆があり、電子書籍企画に参加し、イベントにも登壇させていただき──単なる「趣味」にとどまらず、いつの間にかいろいろな意味で自分の「生活」をも動かし始めたブログ活動。

 2014年は、金銭面でも将来面でも不安が大きく、再就職しようにも良い出会いがなく、どげんかせんと……どげんかせんといかん……と繰り返している中で、ブログが心理的な支えになっていたようにも思う。耳の痛い批判も引っ括めて、「無職」に対してもネットは優しかった。

 そして2015年。それならば、「とりあえずは行けるところまで行ってみるべ」の心持ちで、個人事業主として開業届けを提出。

 良い会社との出会いはなかったけれど、素敵な“ネット好き”さんたちとの出会いに恵まれて、今のところは生きることができております。ありがたやありがたや。

 

4年前もこれからも、きっと、インターネットが好き

 ──とまあ、うだうだと自分語りを書くのもいつものこと。冒頭のお題「4年間で変わったこと、変わらないこと」に戻りますと、“変わった”のは、生活のすべて。

 世間知らずの学生が社会に出て、それなりに仕事を楽しみつつも身体を壊して退職。無職としての停滞感と罪悪感に苛まれつつも、なんだかんだあったすえに独立。自分の過ごす日々の生活は、目まぐるしく移り変わっておりました。

 とは言え、それによって自分の価値観や考え方も劇的に変わったかといえば、多分、そんなこともないんじゃないかと。強いて言えば、「学生」「会社員」「無職」「個人事業主」のそれぞれの視点で物事を見るという経験はできたけれど、どれが正しいとも間違いとも思わない。

 ミステリーでもなし、「真実はいつもひとつ!」よりも「正解はひとつ!じゃない!!」のほうがピンとくる。物事を決められない優柔不断、常に中庸寄りでフラフラしていたい、端から見ればムカつくことこの上ないコウモリ気質であるものの、まあそれでもいっか、と。

 そういう意味では“変わっていない”し、自分の趣味嗜好だってそうだ。相も変わらずアニメやマンガなど、自分が好んで触れようとするコンテンツの方向性は変わらない。……ただ、ちょっと枠は広まったかも? それまでは関心のなかったジャンルにも躊躇せずツッコむようになった。

 それに何より、初めて親父のMacintoshで接続した14、15年前から変わらず、ずっと「インターネット」が好き。そりゃあ嫌な思いをした経験は数知れずだけれど、それでもやっぱり、人間の感情や思考を可視化して送受信できるこの電子の海を漂っていると、落ち着くのです。

 ──なーんて書くと、まるで“ネット廃人”の言い草なので、その辺のバランスには気を付けつつ。インターネットは仮想世界、現実とは乖離した別世界である……という説明は正しくもあるけれど、もはや互いに切り離せない存在となっているのもまた事実。

 ネットにハマればハマるほど、ブログを書けば書くほどに“現実”での交流が発生し、関係性の幅が広がっていくのもおもしろい。ネット外で「顔」が見えてしまうことによる弊害もあれど、画面の向こうに「どこかの誰か」がいることを忘れないようにするのも大切なんじゃないかしら。

 そして、そんな「どこかの誰か」には、きっと「未来の自分」も当てはまる 

ぜひ、あなたの言葉で、あなたならではの視点で、あなたの考えていることや、あなたの体験を、はてなブログに書き残してください。

 

それはきっと、見知らぬ誰かのためになります。

それはきっと、いつか見返す未来の自分のためになります。

 

私たちは、そんな「見知らぬ誰かのため」や「いつか見返す未来の自分のため」になるであろう言葉を書き記す、そのためのツールとして、はてなブログをご利用いただくことを望んでいます。

はてなブログの目指す場所 - はてなブログ

 読まれるためのテンプレート、読者数を増やすためのPV報告──ブログを大きくする方法はいろいろある。けれど、「未来の自分」が読んだときに一番「おもしろい」と感じるのは、たぶん、その瞬間の素直な気持ち。

 無理に型に押し込まれた「他人」のような自分の文章を読んで苦笑いするくらいなら、明らかに見当違いで感情的に書いているのがわかる黒歴史でも、「なに言ってんだこいつwww」とアホみたいに笑えるほうが、きっと楽しい。

過去の自分の文章を読んだら、何にも恐れずに自由に開放的に書かれていて、未来の自分が読んでもやっぱり面白くて、もっともっと先の未来の自分がゲラゲラ笑う為に、今も書き続けておかなければと思った。自分が書いた文章で自分が楽しめる、そんな単純な自分で良かった。未来の私、これ読んで笑ってる?

結局自分の過去の日記がこの世で一番面白い読み物になるからこれからも未来の自分がゲラゲラ笑う為に書き続けなければ - それは恋とか愛とかの類ではなくて

 うんこみたいな文章だっていいじゃない。未来の自分の「クソワロタ」のために、今日も今日とて書き殴ろう。これからも、よろしくお願いします。

 

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