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ぐるりみち。

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【KDP】ブログの過去記事を電子書籍として出版してみた

電子書籍 電子書籍-活用法

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 毎度毎度、セールのたびにお世話になっているAmazonのKindleストア。そのストア内で自分の作品を電子出版できるサービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)を今回、改めて利用してみました。

 サービス開始当初はいろいろと面倒でマニュアル本が重宝されていたような記憶がありますが、今となっては知識のない個人でも簡単にちょちょいと作れてしまうという話。実際にやっていたところマジで簡単だったので、ざっくりとまとめてみます。

 

 

電子出版までの流れ

1. 執筆(原稿の準備)

 まず、なによりも先に必要となるのは、言うまでもなく「原稿」ですね。マンガや写真集の場合は別ですが、小説・エッセイ・ハウツー本などの文章メインのコンテンツなら、一般的なテキストファイルで作成・保存するだけでOKです。

 

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 テキストファイルは分割した状態で保存しておいても問題ありません。が、電子書籍の形式に変換する際には、ひとつのファイルのほうが手っ取り早いという話。

 うっかり削除してしまう危険性などを鑑みると、執筆時には章別に保存し、電書化するタイミングでひとつのテキストファイルにまとめると良いかもしれません。実際、1回消えましたしおすし。この場合、【bookmatome.txt】を完成稿としています。

 

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 Windowsならば『メモ帳』、Macならば『テキストエディット』といった、PC標準のエディアで執筆し、【.txt】ファイルの形で保存してもまったく問題ないようです。何を使うかは好みに過ぎませんが、僕は『CotEditor』を使って執筆・編集しました。

 

2. 見出しなどを電子書籍の形にマークアップする

 原稿が完成したら、txtファイル中の段落・見出し・引用・リンク・その他諸々を、電子書籍の形にマークアップ・編集します。ここからはしばらく、『電書ちゃん』にひたすらお世話になる格好。電書ちゃん、マジ電子……じゃなかった、天使。

 

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 ブラウザ上で動く『でんでんエディター』を使っても良し。あるいは、『でんでんマークダウン』の記法を参考にtxtファイルをそのまま編集するも良し。マークアップついでに文章の推敲も並行して進めれば、効率的に作業ができそうです。

 特に「見出し」や「改ページ」などの設定は見栄えに影響するだけでなく、あとで「目次」を自動生成する場合には、本の構成そのものに関わってくる重要なポイントです。こまめにプレビューして確かめつつ、丁寧に編集していくと良いでしょう。

 

3. EPUBファイルに変換する

 マークアップが終わったら、いざファイルを変換。編集済みのtxtファイルに加えて、必要に応じて、表紙画像やCSSファイルもまとめてアップロードします。

 

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 手順は、『でんでんコンバーター』にぶっこむのみ。CSS云々はさほど詳しくない僕は、txtファイルと、『Pages』でてけとーに作った表紙画像のjpgファイルを突っ込むだけで完了です。……自分のデザインセンスのなさに絶望しながら。

 

4. mobiファイルに変換する

 電書ちゃんにせっせと【.epub】のファイルを作ってもらったら、今度はそれを『Kindle Previewer』にぶっこみます。

 

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 すると、電子書籍の形でプレビュー表示されると同時に、自動で【.mobi】ファイルが出力されます。

 このmobiファイルを「電子書籍」としてKindleストアに登録することになるので、ここで内容を最終確認。原稿の誤字脱字と、マークアップが抜けていないか、構成がガタガタになっていないかなどをしっかりと見直すようにします。

 

5. KDPサイトでアカウント登録・出版手続きをする

 ここまで来れば、ゴールは目の前。『Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシング』のサイトにアクセスし、手順に沿って手続きを進めていきます。アカウント情報を登録し、本の詳細を記載し、mobiファイルをアップロードするだけ。

 かなり親切設計になっているので、ほとんど迷うことはないはずです。ただ、税金に関する情報の登録などに不安がある方は、以下のサイトを参照しながら必要事項を埋めていくと良いかもしれません。

 

6. 登録後、48時間以内に出版!

 発売日を決めて「予約」の形での出版もできるようですが、特に指定せずに書籍情報を登録した場合、内容に問題がなければ、手続き完了から48時間以内に出版されるという話です。上記リンクでは、“6〜12時間後”を基準として挙げていますね。

 

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 自分の場合は、夜の23:55頃に登録したところ、翌朝の6:30にはメールが到着しておりました。驚きの早さ。執筆にむちゃくちゃ時間がかかったことを鑑みれば、登録までは本当に簡単、ちょちょいのちょいでございました。ね、かんたんでしょ?

 

 参考リンク 

 

「ブログの電子書籍化」を試してみた

 今回、出版してみたのはこちらの本。……表紙の残念具合にはツッコまんでください。ツール云々というより、デザインセンスの問題だとよくわかっておりますので。これでも5つくらい出した案の中では、マシなほうなんですよ! たぶん!

 

 

 本文の内容は、主にブログの「仕事・働く カテゴリー」の過去記事を元にして再構成し、文章は9割方、一から書きなおした格好でございます。文字数にして、およそ45,000字といったところ。

 

 執筆の動機としては、以下のような理由から。

  • すべて自分ひとりで、試しに「電子書籍」を作ってみたかった
  • 雑多なブログの過去記事を再活用できるかどうかの実験として
  • 相談メールに対して等しく示すことのできる「基準」が欲しかった

 

ひとりぼっちでも「電子書籍」は作れるの?

 第一に、「ほんまに、ぜーんぶ自分ひとりで『電子書籍』って作れちゃうのん?」という興味から。企画・構成・執筆・デザイン・校正・編集・出版までの流れをすべて一人でこなした場合、どのくらいの作業量でどれだけの時間がかかるのかなー、と。

 結果としては、「意外と手軽にできちゃうけれど、校正がマジ大変」という印象です。字数としてはわりかし近い「卒業論文」の推敲なんかと比べても、「教授」という第三者視点なしで推敲から構成の見直しまで、全部をぼっちでこなすのはなかなかに辛い。

 

 「昨日はこれで良いと思ったけれど、今日読み直したらもっと適した表現が思い浮かんで……!」ということを繰り返し繰り返し、気づいたら7月末になってました。6月中に取り掛かり始め、7月上旬には終わらせるつもりだったのに……。

 かなりの日数と時間をかけて完成して、それでも「完璧」には遥か遠い出来栄え。書籍の校正担当さん、編集者さんの苦労の一端を知れたような気がするような一方で、まだまだ序の口のような気もする。――本当に、共著のときにはお世話になりましたorz

 

 

ストックされた「ブログ記事」の有効活用

 第二に、うちのような雑多でごちゃごちゃなノンジャンルのブログでも、過去の記事を活用して「まとまった文章」を作り上げることができるのかどうか、という実験的視点として。

 このブログは、“今日のご飯”から“無職生活”、さらには“俺の嫁”などといった内容まで日頃から好き勝手に書いており、一貫性の欠片もない“個人の日記”。ただし「カテゴリー」という単位で見れば似通った内容の記事もあり、それらをまとめて再構成できるかな? と試してみた感じです。

 

 先にも書いたように、まずは「仕事・働く」カテゴリーをメインに据えてみました。で、それに関連する「ことば」カテゴリーの文章もちょいちょい参照しつつ、最終章では「読書」の感想記事もフル活用してみた形になります。

 一部、読み返すと「さっきと言ってること違うような……」と思われる点も無きにしもあらずではありますが、意外と“それっぽく”まとめることはできちゃんじゃないかと思っています。なので、たとえノンジャンルのブログでも、特定の「カテゴリー」が充実していれば「電書化」も可能なんじゃないかしら。

 

過去に送られてきた「相談」への回答として

 第三に、「同じ悩みを持つ同世代の人に“選択肢”を示したい」という動機。ブログを書いている理由とも一部重なる部分であり、「とりあえずこのテーマで書いてみよう」と思い至ったきっかけですね。

 

 もう1年半くらい前から、ブログの「退職記事」を読んだ人から相談メールを頂戴する機会が何度かあり、特に4月以降、その数が増加傾向にありまして。こういう会社に勤めていて、こういった仕事・生活が辛いという現状があり、辞めようか悩んでいる、と。

 正直な話、25そこらの若造が見知らぬ他人に対して、あれこれアドバイスできるものではないとも思っています。でも、周囲の人間には話しづらい「仕事」の話も、同世代の見知らぬ他人になら相談できる――ということで、メールをくださる方が少なからずいらっしゃる。

 

 そのたびに結構な時間をかけて自分なりの考えを返信してはいたのですが、それにも限界があるなー、と。各々に事情が異なる以上、コピペで対応するのも不誠実ですし、かと言って「辞めちまえ!」とか「我慢しろ!」なんて偉そうに断言することもできず。

 そういった事情もあり、「退職を悩んでいる同世代の若者に対して、自分自身の考えと経験に加え、複数の“労働観”や先人の示した“選択肢”をまとめて紹介できる方法」を検討したところ、「本」という結論に落ち着き、執筆に至ったという流れです。ブログはあまりに雑多すぎるゆえ……。

 

本当に簡単な電子出版、いろいろ試してみたい

 そういった複数の動機を鑑みて執筆に取り掛かった結果、想定読者は「入社1〜3年目の、退職を考えている若手社員」という、ひっじょーに限られた層に向けて出版することと相成りました。はたして、読む人がいるのかどうか……。

 

 とにもかくにも、「電子出版は意外と簡単だったよ!」という実感が得られたので、機会があれば他にもいろいろと試してみたいなー、と。

 大きなブログとしては、『わかったブログ』さんや『R-style』さんなども複数のKindle本を出版しておられますが、一方で、複数の弱小ブロガーが「雑誌」形式で共著として出版してみてもおもしろいと思うんですよね。需要があるかは怪しいので、「同人誌」的な分野になりそうではありますが。

 

 いくつかネタは思い浮かんでいるものの、具体的な形が定まっていないのと、ロイヤリティの扱いが悩みどころなので、すぐにどうこう動く予定はございません。

 ただ、僕自身「ブログ」経由で過去にいろいろとお誘いいただいて嬉しかった経験があるので、そういった試みがあるのなら、できる範囲で協力してみたいなーと思うのです。というか、普通に同人誌も出してみたい。久しぶりに。採算度外視のおもしろ企画。

 

 ――というわけで長くなりましたが、とりあえず記事のストックがたまっているブロガーさんは、試しに電子出版してみればいいと思うんだ。売れようが売れまいが、「なんかそれっぽいのできた」だけで満足できちゃいますし。うむ。

 

 その後の売上記録  

 

 

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