ブログの読者を増やす方法〜読者数1,000人達成までに取り組んだ3つの施策


前回に引き続き、今回は「ブログの読者の増やし方」について。現在、このブログ「ぐるりみち。」に関して言えば、数字の上で確認できる「読者さん」の数は4,500人ほどとなっています*1

ですが、Google Analyticsでページ別のアクセス数を参照すると、実際に記事を読んでくださっている方がどの程度いるかといえば──さほど多くはないという印象。おそらくは「ブログのテーマが統一されていない」ことにその一因があるのでしょう。専門ブログというわけでもないので。

そもそも、一口に「読者を増やしたい!」と言っても、何をもって「読者」と考えるのか。そこにもいくつかの視点があるように思います。目に見える数字が増やせればいいのか、毎回読んでコメントもくれるファンが欲しいのか──。そういった点も整理しつつ、持論をまとめました。

ほとんど「自分がやったこと」なので普遍化できるものではありませんが……。一例として、どなたかの参考になれば幸いです。

 

 

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あなたのブログの「読者さん」って、どんな人?

たとえば、冒頭にも挙げた昨日の記事。投稿から24時間が経過した現在のPV数は、Google Analyticsで確認する限りは約800PVとなっています。──おかしい。このブログには、1,000人もの読者さんがいらっしゃるはずなのに。

もちろん、おそらく読者ではないだろう人からのアクセス──はてなブックマークやSmartNewsなどからの流入──もあるため、このページをRSS登録して読んでくださっている “読者” の実数はさらに下がるはず。つまり「幽霊部員」ならぬ「幽霊読者」が多いということ……?

言うまでもなく、そのように考えるのは早計です。なぜなら、ストックメディアであるブログには、「各々が自由なタイミングで読むことができる」という特徴があるから。当然、誰もが「更新されたらすぐに読む!」というわけではないのです。

週末にまとめて読む人もいるでしょうし、普段は忙しいため、長期休暇にネットにどっぷりと浸かって消化する人もいるかもしれません。僕らのように毎日更新、Twitterで毎日「にゃんこー!」「おぱーい!」なんて叫んでいるほうが稀でしょう。……たぶん。

さらに、この「ぐるりみち。」というブログに限って言えば、個々の記事によってアクセス数に幅があるのはむしろ当たり前のことなのです。

というのも──このブログ、「書評」や「グルメ」といったカテゴリーが便宜上は設定されていますが、その実態は、好き勝手に書き散らしているだけの「個人の日記」。読者の誰もがすべてのジャンルの記事を読むとは限らず、PV数が分散するのは自然なことなのです。

たとえば、至極個人的な日記についてはあまり読まれない一方で、マンガの感想記事やインターネットの話題はそこそこ読んでいただけている形。新聞と同じですね。「テレビ欄とエンタメ欄には目を通すけれど、社説や投書は読まない」みたいな。逆もまた然り。

……え? それなら「よく読まれているジャンルの記事ばかり書けばいいじゃないか」って? まったくもって仰るとおりですが、自分はそうはしません。

なぜなら、このブログを始めた動機が「思考の記録」であり、「好き勝手に書く」ことをスタンスに運営しているから。読者さんやPV数ありきの「ウェブメディア」ではなく、結局のところは「個人の日記」に過ぎないと、自分では考えているわけです。

 

「ブログ」に対するスタンス・軸を明確に

たしかに、人気の話題を取り上げ続ければアクセス数は伸びるでしょうし、「このブログはこういうジャンルを専門にしているんだな」というブランディングにもつながります。それが価値あるコンテンツと認められれば、書籍化のオファーなどが舞いこむ可能性もあるでしょう。

けれど、このブログの軸には「好き勝手に書きたい!」という個人的な思いがあるため、今のところは方針を変更するつもりはありません。時には大勢に読まれることを狙った記事を書くこともありますが──それも含めて「好き勝手」である、と。そう考えています。

過去にこのような記事を書きました。広い意味での「ブログ」を大別する考え方として「日記」か「メディア」かという視点があり、その考え方によって、運営の方法も記事の書き方もそれぞれ大きく異なってくるのではないか──と、そのような内容です。

特定ジャンルの情報を発信し続ける「メディア」ならいざ知らず、このブログはあくまでも「日記」。もともと飽き性である自分は、いつも同じことをしていると摩耗し、その活動がよほど楽しくなければ続けられない傾向にあります*2。だからこそ、ブログを「日記」と考え、そこに「何を書いてもいい」とすることで、自分が楽しく、長続きするような運営方針を取っているわけです。

たとえブレていようが、軸は軸。過去の記事で何度も「好き勝手に書いてます!」と繰り返しているのも、そういったスタンスを示したうえで、読むか読まないかを読者さんに判断していただきたいと考えているからです。

時間のあるときに、興味を持った記事だけを、それこそ “好き勝手” に読んでいただけるのであれば、ブロガー冥利に尽きるというもの。気軽に読者登録してもらい、目に入った記事だけでもつらつらと流し読んでいただければ、それだけですごく嬉しい。

ブレていようがブレていまいが、ブログ運営で基本となるのは、こういった「軸」なのではないかと僕は考えています。「テーマ」や「コンセプト」と言ってもいいかもしれません。

自分がどのような目的・意図を持って運営しているのかを明確にしなければ、それを読んでほしい相手──すなわち「読者」の姿も浮かび上がってきません。もし読者数を増やしたいと考えるのでしたら、この前提は把握しておく必要があると言えるでしょう。

 

ブログで読者数を増やすには?

さて、それでは改めて、これまでに自分が具体的に取り組んできたことをいくつか振り返ってみます。

このブログを開設したのは、2012年12月のこと。当初は月に1回投稿するかしないかという程度の更新頻度だったため人が集まるはずもなく、閑古鳥が鳴く毎日でした。

積極的に更新するようになったのは、2013年11月から。毎日更新とまではいきませんが、2日に1回ペースで更新するように意識していました。その時期に「はてなブックマーク」の使い方を理解し、ブログの記事が初めてホットエントリーに入ります。そのあたりから振り返ってみましょう。

 

1. 他のブロガーさんと意識的に関わる〜傍観者から参加者へ

初めてのホッテントリ記事。文体も論調も現在と比べると少々異なりますが、本ブログでたびたび取り上げる「言葉」カテゴリーの記事の走りですね。

その内容は、他のブロガーさんの記事に対する言及となっています。もともとブログを始める前から他人のブログを読む習慣はあったのですが、この時期に新たに意識するようになったのが、それらを「読む」だけでなく「コメント」し、「交流」すること。

そのときにお世話になったのが、こちらの「はてなグループ」です。それまではどちらかと言えば、ビジネス系のブログや同世代のブロガーさんが書く文章を読んでいたのが、こちらのグループに参加して以降はさまざまなブログを読むようになりました。

昔から文章を「読む」こと自体が好きだったので、性に合っていたのでしょう。グループに参加している、あるいは「はてなブログ」のトップページで目に入る先輩ブロガーの文章を読みあさり、気軽にコメントするようになりました。基本的にはTwitterでツイートする形ですね。

そうすると、自然と他のブロガーさんとやり取りをするようになります。ブロガー同士の横のつながりもそれとなく可視化され、いろいろな人と交流していくうちに、読者の獲得に至ったのではないかと。極端に内輪感がなく、ほどほどにゆるいつながりだったことも良かったのかもしれません。

 

2. 一度バズる〜ただし、炎上は避ける

こちらはおなじみの方法。ある記事が「バズ」り、はてなブックマークをはじめとする各所で拡散されると、必然的に読者数も増えます。

このブログの場合、きっかけとなったのはこちらの記事。データがないので定かではありませんが、この記事だけで数十人は購読者数が増えたんじゃないかと記憶しています。

ただ「バズる」とは簡単に言うものの、毎度毎度狙ってできるようなことではないのも事実。まずは読んでもらわないことには始まりませんし、どれだけ文章の出来が良くても、SNSで共有されなければ大きなバズにはつながりません。

文章力が高いから、デザインが魅力的だからといって、必ずしもアクセスを集められるとは限らないのが、ネットの世界。ある程度は特定層を狙い撃ちすることもできるかもしれませんが、それも時の運次第です。

一方で、意図的に「炎上」させることでアクセス数を増やす方法もありますが……これはおすすめできません。ネットウォッチャーの気を引くことで読者数の獲得に至るケースもありますが、信頼とか時間とか精神とか、いろいろと摩耗して苦しくなるだけなんじゃないかと思います。

 

3. 同ジャンルの記事を立て続けに、または定期的に投稿する

先にも触れたとおり、複数ジャンルの話題についてざっくばらんに書き連ねている雑記ブログの読者さんは、おそらく各々が別の目的を持ってブログを購読しているのと考えられます。──僕自身、他のブログを読むときはそうですし。

このブログで言うと、「仕事・働く」カテゴリーの話題に関心を持っている人がいれば、「本の感想」を参考にするべく更新を待ってくださっている方もいるかもしれません。「インターネット」の話題や「アニメ」のネタあたりも意外と読まれているような実感があります。

複数分野の話題を取り扱っているブログの場合、特定のジャンルを目的に読者登録をしてくださっている読者さんは、それ以外の記事には見向きもしません。なので、定期的に該当ジャンルの記事を投稿することが「読者離れ」を防ぐのにつながるのではないかと考えています。

逆に、新たに読者の獲得を狙う場合は、特定ジャンルの記事を立て続けに投稿することによって注目を集め、関心のある人の目に留まる可能性を高めるという方法があります。このブログの例を挙げれば、初期の退職ネタや以下の連載記事などが当てはまるかと。

特定の話題の記事を、一定の期間内に多く投稿することで、その分野に関心のある人の興味を引き、読者登録に結びつける──という考え方ですね。バズるかどうかはさておき。

もちろん、そんな回りくどいことをする必要がないという人もいます。何を書かせてもおもしろいとか、文章力や情報収集力といった何かしらの秀でた能力・個性を持っているだとか。実際、有名なブロガーさんを見ると、この手の「自分自身がコンテンツだ!」な人は少なくありません。

しかし、そうではない人はどうすればいいか。個人的には、「何を書くか」と「何を書かないか」という、「内容」の取捨選択が重要だと考えています。基本スタンスは「好き勝手」ですが、書いてみて違和感があったり自分でつまらないと感じたりする文章は、お蔵入りにするのもひとつの手。

自己表現の場として、好きなことは「書く」。けれど、それ自体が自分を映し出す鏡であるブログでは、下手なことは「書かない」。それが、「俺メディア」としてのブログの魅力である──と書いてあったのは、たしか『必ず結果がでるブログ運営テクニック100』だったかしら。

 

結論:続けていれば勝手に増える!

あれこれと書いてきましたが、結論としては「続けていれば増える」というところに落ち着くように思います。ブログは、長く続ければ続けるほどに読者が増える。どこかで頭打ちになるとしても、一定数までは自然に増えると考えています(事実、この記事を書いた3年後、2018年現在も増え続けているので)

少なくとも「はてなブログ」というサービスに限定すれば、そうした土壌が整っていることは間違いありません。ブックマークの存在もそうですが、それよりも大きいのは「言及」の文化と「通知機能」があること。これによって、ブロガー同士の交流が活発に行われている実感があります。

名指しで他人のIDを載せるのはちょっと勇気がいるけれど、「この記事を読んで、こう思いました!」と書くくらいなら、そこまでハードルは高くありません。それをきっかけに仲良くなったり、オフ会で会うようになったり──なんてことも。

しかし一方で、場合によっては「内輪感」が強くなりすぎるというデメリットもあります。特にはてなブックマークの一部ユーザーはこの手の「慣れ合い」を嫌う傾向にあるため、時には心ないコメントが飛んでくるようになるかもしれません。

ですが、そもそもすべての「ブログ」に当てはまる、普遍的な「運営方法」は存在しません。ブログを使って交流するのも、メディアとして運営するのも、副業収入を得るのも、それが規約の範囲内にあるかぎりは各々の自由です。それなら、積極的に交流して楽しむことを目的にしてもいいのではないかしら*3

ともかく、そうした「交流の場」としての環境が整備されているブログサービスを利用しているのであれば、更新を続けているかぎりは自然と読者数も増えるはず。

ただし、淡々と1人で更新しているだけでは文字どおりの「日記」で完結してしまうので、意識的に付加価値を加える必要はあります。それこそ、上で取り上げた「他のブロガーさんとの交流」や「バズる」こと、そして「同ジャンル記事の定期投稿」といった考え方ですね。

まだまだ「ブログ」に関して思うこと、「こうすりゃいいんじゃね?」という思いはありますが、以上が僕の考える「読者数の増やし方」です。ほぼ主観と経験談に終始した内容のため、役に立つかは怪しいですが……どなたかの参考になれば幸いです。

 

余談:長々と書いてきて混ぜっ返すのもアレですが、ぶっちゃけ、ブログにおける読者数・PV数・シェア数といった「数字の増やし方」のたぐいは、自身で試行錯誤して身につけていくしかないとも思います。

と言うのも、初心者ブロガーさんの多くがこの手の「ブログ論」に振り回されて、ブログ内容のテンプレ化&没個性化に結びつき、結果、ブログを書くのがつまらなくなって辞めてしまうようなケースが散見されるので……。以下に挙げる書籍なども参考に、研究・計画・実践・分析のうえでブログ運営に臨みましょう。

 

参考になるかもしれないブックガイド

17人の先輩ブロガーから事例を学べる!『世界一やさしいブログの教科書1年生』

既刊『ブログ飯』が、ブログ運営について「読んで、知る」ための精神論を紐解いた本だとすれば、本書『世界一やさしいブログの教科書』は、精神論と方法論が同居した「読み、知り、考え、学ぶ」本だと言えます。

まさに文字どおり、ブログ初心者向けの「教科書。真偽の怪しいSEOや、データの伴わない結果論も少なくないネット上の「ブログ論」と比べれば、その信頼性の高さは言うまでもありません。

加えて、「先輩ブロガーの成功パターン」として17名にも及ぶブロガーさんへのインタビューが掲載されているのも大きな魅力。ブロガー必読の1冊です。

 

10年選手による極上のブログ論『ブログを10年続けて、僕が考えたこと』

ブログ「R-style」の倉下忠憲さんの著書。

特定の目的を前提としたノウハウやテクニックではなく、広い意味での「ブログ」の意義と、その続け方について紐解いた1冊。さすがは10年選手だけあって地に足の着いた、読んでいて強く納得できる内容となっています。

ブログを始めたばかりの初心者はもちろんのこと、本書とはおそらく対極に位置するだろうプロブロガー志望の人にもおすすめ。何らかの目的や楽しみを持って「ブログ」を運営しているすべての人に推薦できる、ブログの大先輩が語った素敵な精神論です。

 

“文章力”を学ぶための入門書に最適『新しい文章力の教室』

創作・論文・ビジネス文書・ネットなど、一口に「文章」と言っても多岐にわたる今日この頃。当然、それぞれに必要とされる「文章力」も異なるため、それを1冊の本で取り扱うのは無理がある──と思っていたのですが。

そんな諦観を、見事にぶち壊してくれた本です。

冒頭で「良い文章とは完読される文章である」と断言することで、それを共通の目標としてさまざまな文章に応用できる、普遍的な「書き方」を提案しています。

しかも本書の場合、「上手な文章を書くためには、こういう書き方をする」ではなく、「完読される文章を書くためには、こういった書き方をしない」という、「しないこと」をまとめた書き口になっているという特徴も。自分で試行錯誤しながら文章力を伸ばすことができる、実践的な1冊です。

 

 

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*1:2018年11月時点

*2:仕事は別です(強調)

*3:一方では、スパム行為をはじめとする規約違反は取り締まられるべきだと考えていますし、あまりに内輪感の強烈な「同期ブログ」「互助会」に対する批判は妥当であるとも感じていますが。