最近読んでおもしろかった本を10冊、淡々と紹介するだけの記事


 「本は1冊ずつ、集中して読み切る!」というスタンスが基本だった自分には珍しく、ここ最近は複数の本を並行して読んでおります。と言っても、それぞれ1冊の中で複数の筆者や要素に分かれているタイプの本に限りますが。短篇集とか、アンソロジーみたいな。

 そんな感じで今回は、「ブログで紹介したいけど、まだ読みきってないからちょっと……」という本を何冊かまとめて、淡々とご紹介。最近読み終えた本も合わせて、ざっくりとまとめてみました。よかったら参考にどうぞ。

 

読解 評論文キーワード

 ライター・編集者である著者が、受験生向けにまとめた問題集。――なのですが、例文の選択が複数の専門分野をまたぐ形で多岐にわたり、単語の解説も非常に丁寧。

 大人になった今でも、「なんとなく使っているけど、意味を説明できない単語」について哲学・文化・科学・社会などの分野の例文を読み、問題を解きながら学んでいくことができる。読むだけで、読解力・語彙力・知識をまとめて研くことのできそうな、良書です。

 

高校生のための文章読本

 上の『読解 評論文キーワード』を読んで、「高校生向けの本もイケるやん!」という感想を持つようになったところ、たまたま書店で目にして衝動買い。大正解でした。まず何より、漠然と「本を読みたい!」と考えている人のブックガイドとなり得る。

 編者による解説も含めると、なんと500ページ以上の超ボリューム。モーパッサン、プルースト、モーツァルト、武満徹、高橋源一郎、坂口安吾、夏目漱石、村上春樹、谷川俊太郎、丸山真男などなど、古今東西、時代もさまざまな文人の「文章」「文体」を一挙に味わうことのできる、至高のアンソロジーです。

 本書の最初の一遍、モーパッサンの『ピエールとジャン』における「独創性」の話から始まる辺り、「やられた!」感じがすごい。

 

DeScience 04 科学者の知りたい文字の話

 一口に言えば、「誰でもわかる、はじめての“フォント”学」。僕らの生活の中で当たり前に使われている「文字」を、「フォント」「書体」といった視点から捉え直す内容。同時に、論文やプレゼンといった場面での「文字の選び方」を解説してくれる、研究者向けの本でもある。

 著者自身が「2年前に知っていれば良かったのに!」という知識をまとめたということで、簡潔明瞭ながら実践的な方法論が書かれているように思います。「文字」に関心がある人に広くおすすめ。同人誌ですが、PDF販売もされているそうなので気になる方はぜひぜひ。

 

角川インターネット講座4 ネットが生んだ文化

 現在、章ごとに感想……というか要約を分割してまとめていますが、少なからず「ネット」に関わる仕事をしている人は読んでおいて損のない、それどころか、ぜひおすすめしたい一冊。インターネットに関わる以上、黎明期から続く「文化」とも無関係ではいられない。

 章ごとに筆者が異なり、序章の川上量生さんに始まり、ばるぼらさん、佐々木俊尚さん、小野ほりでいさんの執筆した3章まで読んだところ。それぞれの書き口もトピックも面白いんだけど、個人的には小野ほりでいさんの文体に驚いた。でもよく見れば、イラストによる簡潔明瞭な説明がそのまま文章に反映されているようで(本来は逆なのかも)、読んでいて刺さる部分が多い。

 

なぜ、この人と話をすると楽になるのか

 世の中に会話術の本は多々あれど、「コミュ障」の視点から「コミュニケーションとは何ぞや」を語った本は聞いたことがない。その点、本書はコミュニケーションが苦手だと感じている多くの人に寄り添う形でその考え方、方法論を提示しており、非常に気づきの多い内容でした。

 筆者は、アニメ・声優・アイドル関連のイベントで見たことのある人も多いかもしれない、ニッポン放送アナウンサーのよっぴーさん。最近、週末のツイキャスにもお邪魔しています。楽しい。

 

終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?

 ライトノベルの新作にはあまり手を出さないのだけれど、あらすじから「自分好み」っぽいニオイを何となく嗅ぎ取り、読んでみたら案の定。何とも言えない不思議な読後感。でも、すっごい好きな世界観と物語。

 実は本作は番外編のアフターストーリーで、本当は別の「物語」があるんじゃないかと(バッドエンドだけど)、そう思えてしまうようなお話でした。ただ一人残され、“終わってしまったセカイ”を絶望の中生きる主人公と、ただただ消費されるだけの妖精たちの関係性もどこか切ない。

 ちょうど昨日、2巻も読み終えて「いいよいいよー」とますます好きになっている自分がいるので、完結まで追いかけたい。ただ、あとがきで「1巻の売上ががががが!」と作者さんが悲鳴をあげていたので、よかったら応援してあげてください。3巻は準備中らしいけれど、その先はどうなんだろう……。

 

美味しい日本茶入門

 Discover Japanの特集ムック本。一時期「朝に緑茶を飲むと調子が良い!」なんてハマっていたけれど、しばらく離れていたので改めて基礎からお勉強。

 日本茶の種類や茶器などの“基本のキ”から最新のトレンドまで広く、そこそこ深く取り上げているように読めて好印象。日本茶のお酒とか、すっごい気になるんですが!……と読んでいて、そういや『茶の本』とかも読もう読もう思っていて読めていないなあ……と積ん読が増える一方。わぁい!

 

珈琲読本 総集編~うちカフェ入門ガイドブック~

 お茶もいいけど、コーヒーも!ということで、ずーっと気になってたサークルさんの『珈琲読本』シリーズの総集編。

 ペーパードリップにマキネッタといった抽出方法の初心者向け解説はもちろん、必要となる器具の種類とお値段、コーヒー豆の選び方、ちょっとした豆知識にコラムなどなど、文字通り“入門”のための“読本”となっております。コーヒーをもっと知りたくなる!

 

ヲタクに恋は難しい

 「ちくしょう!友達の家でマリカーやりてえ!」となる作品――え?違う?

 pixivで人気のマンガの書籍化版。絵柄もノリもネタも好きなので「読まねば!」となっていたのに積んでいる格好。いやね、ネットで読んだ作品だし、再読するならいつでもええやん?的な後回し感が……。

 好きな作品である一方で、ノリの合う合わないは間違いなくあるマンガだとも。世代的にはドンピシャでも、独特のノリが駄目って人はそこそこいるんじゃないかしら。なんだろう、どこかSNS的なやり取りというか、オタク的なノリというか、その両方か。いずれにせよ、早めに読みます。はい。

 

ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!

 発売したばかり。本書の元となった連載の記事を何本か読んでおり、その一部が引用されていた既刊もおもしろかったこともあり、せっかくなので。社員を動員して全力でゲームに取り組むとか、聞いただけでわくわくしてくるやん?迷わずポチった。

 

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