【閉店】新宿『小麦と肉 桃の木』のアッサリコッテリつけ麺


 ふと、つけ麺が食べたくなった。

 定期的に訪れる衝動。なんとなしに「あ、つけ麺だ」と確定事項が自分の中に降りてくる感じ。次の瞬間には、Google先生に近場のつけ麺屋さんを質問するのがいつもの流れでございます。あれかな、学生時代に麺類を食い過ぎて、依存反応でも出てるのかな。

 そんなわけで4月のとある暖かい日、ちょちょいと適当に調べて目に留まったつけ麺屋さんに行ってきた。新宿御苑近くに暖簾を掲げる、せたが屋グループ*1の「小麦と肉 桃の木」へ。ちょっと変化球っぽかったのと、食べログで評価が高かったので。

 

女性向け?店員さんはみんな女性!

 この日、東京は気温が20度オーバーという暖かさ。 新宿駅から歩くと結構な距離があったので、道中、結構な汗をかいてしまった。いや、それでこそ、これから啜る麺も美味くなろうと言うもの。ラーメンの季節はこれからやで。

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 居酒屋などのひしめき合う新宿三丁目を過ぎると、街並みは静かな住宅街の様相を呈してくる。と言っても、すぐ近くには靖国通りと新宿通り、そしてどデカい新宿御苑と、人の集まる場所はたくさんあるのだけれど。

 そんな中、路地を入って行った先の小さな公園の隣りで、目的地を発見。黒い。薄桃色の暖簾だけ見ると「定食屋さんかな?」と思えなくもない……が、入り口脇に貼ってある写真と“あつもり”の文字、そして何より店前の看板が、つけ麺屋であることを示していまする。

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 この気取ってない手作り感、好きです。上部フォントだけこだわった感じも。

 ふんふん……どうやら、こちらに書かれている「天日塩味」と「昆布醤油味」がおすすめらしい。明らかにあっさり系、そして昆布醤油やらそば湯やらということで、旨味を大切にした味作りをしているような。お昼にはちょうど良いかもしれない。疲れている夜はこってりで。

 

 お店に入ると、女性2人の威勢の良い「いらっしゃませぇ!」がお出迎え。まずは入り口脇に目に入った券売機で食券を買うべく見てみると、「こってり醤油」に“おすすめ”のポップが。じゃあこれにしよーっと、ということで迷わずポチりんこ。いやね、優柔不断だから、初見のお店はおすすめを選んじゃうんですよ。

 席に座ると近くに「お水はセルフサービス」と書いてあったのが目に入ったけれど、すかさず店員さんが持ってきてくれた。あざす。ありがたく水分補給しつつ周りをキョロキョロ。14:00をまわったくらいなので、流石にお客さんは少なかったものの、2、3組ほどが麺に向かっておりました。サラリーマン風のおじさんに、学生らしきカップルに、女性のおひとりさん……男臭くないぞ!この店!(驚)

 食べログを読む限りでも、やはり店員さんが女性ということもあって訪れやすいのか、結構女性のリピーターも多いようですね。クチコミ件数154、写真ギャラリー525件って、あんまり見たことないような……*2

 

ラーメン?うどん?そば?うむむむむ?

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 待つことおよそ10分ほど。ドデンと置かれましたるは、注文した「つけ麺こってり醤油」。つけ麺に大根おろしがついてくるの、初めて見た! 優しさを感じる……。

 後で口コミを読むまで知らなかったのですが、実はこの店、麺の量を選べる形式らしい。基本300gで、減らして200g、それ以下もできるのかな? 何も聞かれなかったところを見ると、女性向けに選択を設けているのか、自分が「こいつは食いそうだ」と思われたのか……。そんなに食う方じゃないんですけどね! 馬みたいな顔してガリガリだし!

 何はともあれ、食べてみませう。あ、ちなみに「あつもりorひやもり」はしっかりと聞かれましたよ。普段はあつもりですが、今回はひやもりで。

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 ……んん?? ……うまい。かなーり、うまい。どのくらい美味しいかと言うと、つけ麺・マイベストランキングで現状第2位にランクインするくらい。ただ、言語化できぬ。

 麺は、程良いコシのある平麺。ひやもりにしたこともあってか、ものっそい勢いでちゅるちゅる食べられる。非常に自分好みの麺でござる。

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 スープにはご覧のとおり結構な油が浮いているのですが、元々の汁があっさり系なのか、ほとんどこってり感を感じない。ちゅるちゅる麺にうまく絡まって、飽きることなくズルズルイケる。

 トッピングに関しては、結構な量が入っていて大満足。特に白ネギの量が多く、ちょくちょく合間に麺と挟んで啜ると良いアクセントに。豚肉もしつこすぎず、ガツガツ食える。8、9枚くらいは入っていたかしら。強いて言えば、このお肉が“こってり”?

 

 ――と感想を書くと普通の「つけ麺」の食後感なんだけど、これが一般的に挙げられる「ラーメンのいちスタイルとしてのつけ麺」かどうかと言うと、なんか「そば」っぽくもあり「うどん」っぽくもあり、いったい何者だこいつ! 状態になるのです。

 実際、各レビューサイトの感想を読んでみても、「あ、これうどんだ」と話す人がいれば、「そばやないかい!」とツッコむ人までいてさまざま。そもそも麺文化事情に詳しくない自分がどうこう言えたものではありませんが、これだけ感想が分かれるのもおもしろいなー、と思いまして。しかもだいたい褒めてるレビューで。

 

 そんな疑問を浮かべつつも難なく食べきり、お会計を済ませ、お店を出た後に気づいた。あ、そば湯割り、頼むの忘れてた……。もう一回訪れる理由ができたので、次は塩味に挑戦してみようと思いまする。

 そういや考えてみれば、いつもは「やすべえ」の中盛りでお腹いっぱいになる自分でも、ペロリと300gを食べきれてしまった。そのくらい、とても食べやすく美味しいつけ麺だったということなのでしょう。うむ。ちょっと遠いけど、もっかい行こう。

  

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