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ぐるりみち。

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「大宮盆栽美術館」で盆栽に癒やされてきた

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大宮盆栽美術館。何度でも来たい。 - Instagram

 大宮に「盆栽美術館」があると知ったのは、こちらの記事がきっかけだった。そう、僕にとっても「盆栽」と言えば、真っ先に思い浮かぶのは磯野波平氏のご尊顔。身近にやっている人など皆無で、まじまじと実物を見たような記憶もほとんどない。

 しかし他方では、テレビの特集などで目にする機会もあり、「盆栽」なる存在に少なからず関心があったのも事実。じゃあせっかくだし、一度は見に行ってみるのも悪くないんじゃない?……ということで、行ってまいりました。最高の癒しの空間がそこにあった。

 

世界初!公立の「盆栽美術館」

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さいたま市大宮盆栽美術館

 さいたま市北区土呂町にある大宮盆栽美術館は、平成22年の開館。この一帯は「盆栽村」として、日本の伝統産業・芸術である「盆栽」の魅力を広く発信し続けているそうです。実際、街中を歩いていると盆栽園や庭園が多く散見されました。すてき。

 

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JR土呂駅改札の案内板。「盆栽町」の存在感よ。

 

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石畳の道なりに、緑あふれる住宅街。良い。

 訪れたのは平日のお昼時ということもあり、盆栽美術館の方はかなり空いているようでした。ただ、住宅街をぶらぶらしていると外国の人がやたらと目に入り、国内外で注目を集めている“BONSAI”のすごさを実感する格好に。ヨーロッパ系の人が多かったですね。

 

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駅前の案内板。徒歩5分程度の距離。

 というわけで、一路、盆栽美術館へと向かいます。

 

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大宮盆栽美術館入り口。駐車場もあります。

 

盆栽の知識がゼロでも安心!易しい解説のギャラリー

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 パッと見、「お金持ちの一軒家かな……?」と見紛う外観ですが、中に入れば、れっきとした“美術館”。ロビーでは早速、「季節の一鉢」が出迎えてくれます。

 

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 こちらは、春先に花を咲かせて実を付ける、キブシ。山地から川沿いまで広く生息しているようで、確かに見覚えがありますね。ちなみに、花言葉は「待ち合わせ」「出会い」「嘘」だとか*1。最後はともかく、ロビーに置くにはぴったりかも。

 

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 設定をミスってピンぼけになっちゃってますが、奥に受付とミュージアムショップ、さらにその奥の外には、盆栽庭園が広がっています。この庭園がね!もうとにかく素晴らしいんですよ!後述しますが、思わず長居してしまったくらい。

 さて、受付で一般観覧料300円を払って、展示部分へと入場します。館内は全面撮影禁止、庭園内も一部しか撮影スペースは設けられていないため、ガイドブックを参考に説明をば。館内展示は、3つのパートで構成されていました。

  • 盆栽文化への導入部分として、盆器や水石、美術資料などを誰にでもわかるように解説している「プロローグ」。
  • 盆栽の実物を鑑賞しながら、その見方、種類と形態、美しく育てるための技術を学ぶことのできる「ギャラリー」。
  • 江戸時代以降、室内に盆栽を置き、部屋の構造や趣向に合わせて全体の調和を整える「座敷飾り」。

 僕自身は、「盆栽と言えば波平」程度の残念な印象しか持っていないド素人。ですが、そんな自分にも易しくわかりやすい解説がされていました。「樹の種類すら怪しい!」ような人でも、実物を見ながら学んでいくことができるため、非常にありがたい。

 

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 特におもしろかったのは、「座敷飾り」における3つの「間」ですね。格式別に3つの部屋を実際に目にすることができ、解説を読みながら細かな違いを確認することができます*2。畳の目の違いとか、言われないとわからないよ!

 館内に展示されている盆栽は、季節ごとに週替わりで変更されるそうなので、訪れるたびに違った作品を楽しむことができそうです。

 

さまざまな見方・角度から楽しめる盆栽の魅力

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2階から見た盆栽庭園。こちらからなら写真撮影可能です。

 館内で知識を身に付けたら、いざいざ外の庭園へ!

 常時、40〜50点の盆栽が展示されているそうで、360度、さまざまな角度から眺めることができます。特に大きな五葉松(銘:千代の松)は、高さ1.6m、幅1.8mというどデカさ。生命力に満ち溢れており、見応えがあります。

 

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撮影可能スペース。柵で囲われている中の盆栽に関しては、写真OKだそうです。

 先ほどの2階からの全景で言うと、中心の東屋の上部、垣根の奥が撮影可能スペースとなっており、いくつかの盆栽が均等に配置されています。

 そこで気づいたんですが、盆栽の写真を撮るのって、むちゃくちゃ楽しい。上から見ても下から見ても違った顔を見せてくれるし、寄れば寄るほど細かな表情が見えてくる。自分は写真に関しても素人ですが、さまざまな角度からあれこれと試してみるのはおもしろかったです。

 

黒松(銘:巌)

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 縦に長い一本の幹。細かな線条の葉が、散髪したての僕の頭を思わせますね、はい。

 

梅(思いのまま)

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 2本の幹を持つ「双幹」と呼ばれる形態。枝先を見ると、わずかに桃色の蕾が。と数週間遅く訪れていれば、花開いた状態を目にできたのかな。

 

山もみじ(銘:高雅)

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 1本の茎の根元から複数の茎が立ち上がっている様子を、「株立ち」と言うらしい。桜にせよ紅葉にせよ、普段見る「樹」と言えば枝葉の部分なので、ちょっと下に目を向けてみるとおもしろい。

 

いわしで

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 絵画や彫刻ではあまり見ることのできない、自然の樹ならではの立体感がすごい。

 

赤松

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 下からのアングルって良いよね。もうちょい寄れれば、サイズ感を出せたと思うんだけど。

 

真柏(銘:武甲)

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 白くトルネードした幹が、見応え満点。このように幹の一部が白く風化したものを「シャリ(舎利)」、枝先のものを「ジン(神)」と言うそうです。

 また、形を整えるために針金がかけられているのが見えますが、これには高度な技術が必要だとか。そりゃそうですよね。風化している分、力加減を間違えればポッキリ。あばばばば。

 

寒桜

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 春先、一足早く花開く寒桜。先ほどの梅と比べると、「あとちょっと……!」という感じが見て取れます。日々の変化で、季節を感じられるのが良い。

 

黒松

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 撮影可能エリアの盆栽の中でこの日、特に存在感を示していたのがこちらの黒松。でけえ。ここまで、他の盆栽では細かな部分を観察して楽しんでいたところ、ででん!と大きな樹が待ち構えていたので、思わず「うほぉ」と声が漏れた。うほぉ。

 一番最初の黒松と比較すると、葉の情報量がとにかく多い。びっしり。加えて、幹の荒々しさが際立ちますね。大雑把にでも細かにでも見ることができて、絵に描こうとしたら人によって違いが現れそう。

 

季節ごとに何度も訪れたい

 ――とまあ、これ以外にも数十点の盆栽が展示されており、人が少ないことも手伝って、ゆったりと楽しんで回ることができました。

 この日はポカポカ陽気で天気も良く、外の盆栽庭園を見るには悪くないタイミングだったのかもしれません。ただ、季節的には微妙な時期だったのかな、とも。おそらく、桜の季節には大勢の人が訪れるんじゃないかしら……。

 また、帰ってからガイドブックの写真を見て思ったのが、「さっき見たのと全然ちげえ!」ということ。青々とした葉が茂っていたり、色鮮やかに紅葉していたりと、やはり、季節によって全く別の姿を見せるんですね。……とくれば、ぜひとも再訪したいところ。いや、行こう、行くんだ。

 

 

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*1:キブシ:木五倍子 の花言葉・誕生花・イラスト | チルの工房【无域屋】花札庵

*2:部屋に入ることはできません。「部屋」の展示です。