新海誠特集「『ほしのこえ』から『君の名は。』へ」を読んだ(『ユリイカ』9月号)

 新海誠監督を特集した『ユリイカ』9月号を読んだ。最新作『君の名は。』のヒットに伴って多数の雑誌で特集が組まれるなか、映画公開直後に発売となった一冊。製作陣へのインタビューに始まり、20名近くにも及ぶ専門家による評論文はボリューム満点でございました。

 また、多くの雑誌があくまで『君の名は。』をメインに取り上げているなか、本書は「新海誠特集」を謳っている点にも注目したい。少し前に読んだ『新海誠Walker』も似た構成になっていたけれど、『ユリイカ』は雑誌の特性上、やはり論客による“批評”に重きを置いています。

 監督や俳優のコメントにとどまらない、外部視点による評論が読める本としては、現時点で最も示唆に富んだ一冊と言えるでしょう。しかも、その“視点”も作家論や作品論のみならず、文化面や映像技術面といった多彩な切り口から取り上げられているのも魅力的。

 映画を観るだけでは物足りず、自分で感想を書いてもなお熱が冷めず、他の人の「新海誠評」を読みたいと感じている人にぴったりの本書。もちろん、新海監督や神木隆之介さんへのインタビューも読みごたえがあり、ファンにおすすめできる一冊でございました。だいまんぞく。

 

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